結婚 恋

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大学時代からずっと片思い

大学時代、趣味系のサークルに入っていました。
趣味を同じくするものばかりだったのでサークルの雰囲気も和気藹々としていて、男女問わず仲の良いサークルでした。

 

そこで出会ったのがRさんでした。眼鏡をかけて地味な感じでしたが趣味に関する知識は凄く、また他人との距離を取るのが上手で先輩からも一目置かれていました。
そんな彼女とは学科が同じで、講義の情報を交換したり、レポートの資料を融通し合ったりしているうちに親しくなっていました。

 

でも、自分の中ではそれはあくまで友情のつもりだったのです。

 

だけとある日、Rさんから恋愛相談を持ちかけられた時に自分の気持ちを認識してしまいました。
Rさんが好きになったのは同じサークルの先輩。

 

先輩の中でも面倒見が良く、頼られてはいましたがいわゆる「いい人」の位置で終わってしまうようなタイプの方でした。
自分も先輩にはお世話になっており、尊敬していましたし、Rさんは大切な友人だったので、もちろん恋愛相談に乗りました。

 

飲み会では彼女と先輩が話せるようにとりもったり、先輩から彼女をどう思っているかそれとなく聞き出したり。
そして、そうやってふたりの仲を取り持つように動くたびに、彼女への恋心を自覚していきました。

 

自覚して苦しくなっていきましたが、Rさんは自分のことを頼れる友人としか思っていないのは明らかでしたので、気持ちは必死に隠していました。

 

ここで気持ちに気付かれたら、彼女とは友人ですらいられなくなるかも知れない。
そう考えると怖くて、一歩踏み出すことが出来ませんでした。

 

しばらくするとRさんから、先輩と付き合うことになったと笑顔で報告されました。

 

あなたのお陰だと感謝され、食事をご馳走して貰ったのを今でもはっきり覚えています。

 

それからも自分は彼女の友人として相談に乗り、時には先輩からも相談を受けてふたりの仲を取り持ちました。

 

先輩が卒論で忙しく、なかなか逢えなくなった時は不安がる彼女を慰めもしたのです。
それでも先輩はRさんを大切にしてくれ、時には無理をしてでも彼女と逢う時間を作っているのを知っていたので、自分はふたりの幸せを願うしかありませんでした。

 

先輩の話をしている時の彼女の笑顔は、いつも眩しいほどに素敵でしたから。
自分では彼女にそんな笑顔をさせられないと思っていましたから。

 

先輩は無事に卒業して就職し、Rさんと婚約しました。

 

彼女の両親も先輩を気に入り、婚約の話は滞りなく進んだそうです。
そして卒業して間もなく、彼女は先輩と結婚しました。
新社会人として忙しかったですが結婚式には駆けつけ、友人代表としてスピーチもしました。

 

「ありがとう。あなたが友達で本当に良かった」

 

結婚式でRさんに言われたお礼は、今でも心に残っています。

 

自分の恋心は結局ずっと隠し通して実ることはありませんでしたが、今でも時候の挨拶でRさんの幸せそうな姿を見るたびに、これで良かったのだと思っています。